ボーイの仕事の魅力の1つは、給料を手渡しでもらえることです。しかし「普通の会社は振り込みなのに、手渡しってなんだか怖い」「手渡しの給料は、税金を払わなくて大丈夫なの?」など、疑問を感じている人も多いでしょう。
まずお給料の手渡しは違法ではなく、一般企業でも使われている支払い方法です。そのうえで、ボーイの給料が手渡しが少なくない理由や手渡しのメリットとデメリット、確定申告が必要な条件や申告を怠るリスクを解説します。
ボーイ(黒服)の給料は手渡しであることが少なくない
ボーイの給料は手渡しであるお店が少なくありません。その理由は、以下のようなものです。
- 業務委託契約で働いてるボーイが多い
- 銀行営業時間的に振り込みが難しい
- 振り込みの手間や手数料を節約している
- 水商売は昔は手渡しの店が多かった
ちなみにお給料の手渡しは違法ではなく、法律でも認められた支払い方法の1つです。キャバクラやクラブは銀行営業時間内に振り込みするのが難しいなどの理由で、手渡しを選択するお店が多かったのです。
ただ、今は業界も変化してきており、銀行営業時間も伸びてネットバンキングも発達したことで、大手を中心に手渡しをやめて銀行振り込みに切り替えているお店が主になっています。
ボーイの給料を手渡しでもらう5つのメリット
ボーイがお給料を手渡しでもらうと、以下のようなメリットがあります。
- 銀行でお金を下ろす手間や手数料がない
- 現金でお金を管理しやすい
- 大金を一度に受け取れるのでモチベーションが上がる
- 家族にバレずに副業しやすい
- 日払いできるお店もある
1.銀行でお金を下ろす手間や手数料がない
ボーイのお給料を手渡しで受け取れば、銀行でお金を下ろす手間や手数料がかかりません。ボーイの仕事は深夜に終わることが多く、コンビニなどでお金を下ろすと手数料を払うことになってしまいます。手渡しなら現金をそのままもらえるので、無駄な手数料を節約できます。
2.現金でお金を管理しやすい
ボーイのお給料を手渡しでもらえば、現金管理しやすい点もメリットです。振り込みだと口座にいくらお金があるか、ATMに行かないとわかりません。
貯金する分だけ口座に入れて、生活費だけ財布に入れておくなど、管理しやすいのも現金手渡しのメリットです。
3.大金を一度に受け取れるのでモチベーションが上がる
ボーイのお給料を手渡しでもらうと、大金を受け取ったという実感が湧いて、仕事を頑張るモチベーションになります。黒服のバイトは20万円程度、大手グループのマネージャークラスは100万円以上のお給料がもらえることも少なくありません。厚みのある封筒を給料日に受け取るとやる気が出る、というボーイも多いです。
ボーイの給料日には手渡しならではの「今月も頑張って稼いだぞ」という実感が持てるのはメリットといえます。
4.家族にバレずに副業しやすい
キャバクラには、家族に内緒でボーイのバイトをしている人もいます。手渡しでボーイの給料をもらえば、銀行振り込みの履歴で家族にバレません。たとえば夫婦で共同の口座を使っており、そこにキャバクラ名義で給料が振り込まれたら副業がバレてしまいます。手渡しなら家族にバレずに副業バイトができます。
ボーイバイトを副業にするリスクやメリットについては、こちらの記事も参考にしてください。
黒服 (ボーイ)バイトの副業はあり?バレるリスクと良い面・悪い面
5.日払いできるお店もある
現金手渡しでお給料を出しているお店は、ボーイも日払いできる店が多いです。日払いとは日給をその場で渡してもらえる制度のことで、現金が不足したときや給料日前などに使用します。
日払いした分は、お給料から自動的に差し引いてもらえるので便利です。一般企業では日払いはできないことが多いので、夜職ならではのメリットといえるでしょう。
ボーイの給料を手渡しでもらう4つのデメリット
ボーイの給料手渡しシステムはメリットもあるのですが、以下4点に注意すべきです。
- 大金を持ち運ばなければならない
- 飛んだ場合給料が受け取れない
- 確定申告が必要な店がある
- 給料未払いが発生するリスクがある
1.大金を持ち運ばなければならない
ボーイの時給は1,500円程度から、夕方から閉店まで働くと日給12,000円程度です。毎日のように出勤すればお給料日に30万円近くのお金を、現金で受け取ることになります。
そのため大金を持って歩くのが怖いと感じてしまうかもしれません。給料を落としてしまったり、電車で寝て盗まれるリスクもあるので、受け取ったらまっすぐ家に帰ると良いでしょう。
2.飛んだ場合給料が受け取れない
万が一お店を飛んだ場合、お給料がもらえないのは手渡しのデメリットです。振り込みの場合はとんでも給料を振り込んでもらえる可能性がありますが、手渡しだとお店に行かないとお給料を受け取れません。基本的に飛ぶのはNGですが、辞めるタイミングには気をつけた方が良いでしょう。
黒服のやめ方については、以下の記事で解説しています。
3.確定申告が必要な店がある
ボーイの給料を手渡しでもらう場合は、きちんと自分で確定申告しなければなりません。給料明細を全て取っておいて、毎年2月16〜3月15日の間に税務署で申告しましょう。また振り込みであっても業務委託でボーイの仕事をしている場合はお店に確定申告の義務がなく、自分の責任で確定申告する必要があります。
確定申告の詳細は次の項目で説明するので、参考にしてください。
4.給料未払いが発生するリスクがある
ボーイの給料を手渡しでもらうと、未払いが発生するリスクがあります。あってはならないことですが、店長と喧嘩したことが原因で「お前の給料は無しだ!」と言われたり、資金繰りが厳しいときに「2〜3日待ってて」と引き延ばすルーズなお店もあるので注意しましょう。
また未払いとは違いますが、給料日に印鑑を忘れるとお金を受け取れないお店もあります。
もっともきちんとした大手のお店なら、未払いはあり得ないので安心してください。
黒服バイトで起きた怖い話は、以下の記事で紹介しています。
ボーイ(黒服)のバイトは怖い?本当にあった体験談から見る実情
手渡しされたボーイの給料は自分で確定申告が必要
ボーイの給料は手渡しで銀行を経由しないので税金の支払いが必要ないと勘違いしている人がいますが、これは間違いです。
万が一手渡しの給料を申告していないと、以下のようなリスクがあります。
- 無申告によるペナルティ
- 副業が本業の会社にバレる
納税は日本国民の義務なので、自分で得た所得は確定申告で申請してその分の住民税や所得税を払う必要があります。申告せずにいて税務署に無申告がばれた場合は、追徴課税といって本来支払う額にペナルティが上乗せされた請求が来ることもあるので注意しましょう。
また副業でボーイをしている方は、確定申告をしないことで本業の会社に副業がバレる可能性があります。住民税の金額は、所得額に応じて課税されるためです。
キャバクラがあなたに報酬を払っていることを申告すれば、あなたは会社の給料+ボーイの給料を受け取っているため、住民税が増えます。住民税の請求は源泉徴収をしている本業の会社へ行くため、「なぜうちの会社の給料で、こんなに住民税が高いんだろう」と疑問に思われたら、副業していることが簡単にバレてしまうのです。
以上のようなリスクがあるので、ボーイの給料が手渡しであっても必ず確定申告しましょう。確定申告が必要な人の条件について詳しく説明します。
副業でボーイの仕事をしている場合
副業でボーイの仕事をしている方は、本業の給料以外に20万円以上の所得があったら確定申告の対象になります。
所得とはもらった報酬から経費を差し引いた金額です。
たとえばボーイの仕事のために買ったスーツ、靴などは経費になります。
もらった1年間の報酬の合計から経費を引いて、20万円以上になっている方は確定申告しましょう。
専業でボーイの仕事をしている場合
ボーイの仕事を専業でしている人は、103万円以上所得があれば確定申告が必要です。ボーイのお給料は最低でも月に20万円程度なので、専業の方はほぼ確定申告が必要だと思っておくと良いでしょう。
ただし大手キャバクラなどでは、ボーイと雇用契約を結んでおりお店側で源泉徴収をおこなっています。その場合はお店が代わりに税金を納めてくれるので、確定申告は必要ありません。
給与明細に10%天引きされていても源泉徴収されていない場合もある
ボーイのお給料を手渡しでもらった際に、封筒に給与明細が同封されています。給与明細に「税・10%」と書かれている場合でも、源泉徴収していないお店があるので注意しましょう。
ほとんどのお店はきちんとキャバクラの収益を申請していますが、小規模なお店や地方の店は正しく申告していないことがあります。
自分のお給料から源泉徴収されているかどうかわからない方は、店長に「支払調書をください」と頼んでみてください。お店がきちんと申告していれば、あなたが受け取った報酬額と税金額の合計を記載した紙をくれます。その場合はお店があなたの代わりに申告してくれるので、確定申告は不要です。反対に支払い調書はないと言われたり、出してくれない場合は申告していない可能性が高いので、自分で確定申告が必要です。
まとめ
ボーイの給料は手渡しのお店もありますが、今は銀行振り込みに切り替えているお店も多いです。手渡しだから違法、脱税しているお店だというのは勘違いなので、そこは覚えておきましょう。
記事で紹介したように、手渡しであっても確定申告は必要なので、ボーイとして働いている方は自分の収入を記録しておくようにしてください。