ナイトワークの世界ではさまざまなお客様と接する機会があります。多くのお客様は礼儀正しく楽しく過ごしていきますが、なかには『痛客』と呼ばれる厄介なお客様も存在します。
初めてナイトワークに携わる方は、こうした痛客の存在を知らないまま現場に立つことで、対応に困ってしまうケースも少なくありません。
黒服(ボーイ)として働く際には、こうした痛客の特徴を把握し、適切な対応方法を身につけておくことが重要です。
この記事では、ナイトワークでよく見かける痛客の種類と、黒服としての効果的な対処法について詳しく解説していきます。
痛客とは

ナイトワーク業界で『痛客』とは、店舗やキャストに対してさまざまな形で迷惑をかける人全般を指す言葉です。
彼らの行動によって、キャストのやる気が著しく低下したり、店内の雰囲気が悪くなったりすることが多いため、適切な対応が求められます。
痛客は必ずしも悪意を持って行動しているわけではありません。むしろ、自分の行動が迷惑だと認識していないケースも多く見られます。
例えば、お酒の席で気分が高揚し、自分では冗談のつもりでキャストに対して失礼な言動をしてしまう人や、好意から過度に接触を求めてしまう人など、本人は悪気がないと主張することも少なくありません。
しかし、その結果としてキャストの心理的負担が増大し、仕事へのモチベーションが下がってしまいます。
また、一人の痛客の存在によって店内全体の空気が重くなり、他のお客様の満足度も低下してしまうことがあります。
そのため、黒服として働く上では、痛客の特徴を理解し、早期に適切な対応をとることが非常に重要になってきます。
痛客の特徴を種類別に解説

ナイトワークの現場では、さまざまなタイプの痛客と遭遇することがあります。
それぞれの特徴を知ることで、早期に対応し問題を最小限に抑えることができます。ここでは、代表的な痛客のパターンについて詳しく見ていきましょう。
- ガチ恋客
- おさわり客
- 暴言・マウント客
- 飲み方が汚い客
- 店に通わない店外客
ガチ恋客
キャストに本気で恋愛感情を抱いてしまう『ガチ恋客』は、ナイトワークの現場でよく見られる痛客の一種です。彼らは通常のお客様とキャストの関係性を超えて、真剣な交際を求めるようになります。
具体的には、営業時間外に執拗に連絡を取ろうとしたり、プライベートな質問を繰り返したり、「付き合ってほしい」と直接的に告白したりする行動が特徴的です。
特に危険なのは、断られても諦めきれずにストーカー行為に発展するケースです。
キャストの自宅や行動パターンを調べたり、SNSを執拗にチェックしたりするなど、キャストの私生活を脅かす存在となってしまうこともあります。
このような状況は、キャストの精神的な負担になるだけでなく、安全面でも深刻な問題を引き起こす可能性があります。
おさわり客
『おさわり客』は、キャストに対して不適切な身体的接触をおこなう痛客です。これは明らかなセクハラ行為であり、キャストの心身に大きな負担をかけます。
彼らは肩を抱く、腰に手を回す、太ももを触るなどの行為を遊びの一環や親密さの表現と勘違いしています。
特に問題なのは、こうした行為がエスカレートしていくことです。最初は軽い接触から始まり、徐々に度を越した触り方になっていくパターンが多く見られます。
さらに悪質なケースでは、いわゆる『枕営業』を要求するお客様も存在します。こうした行為は完全に違法であり、キャストの尊厳を踏みにじる行為です。
暴言・マウント客
『暴言・マウント客』は、キャストに対して侮辱的な言葉を投げかけたり、自分の優位性を誇示しようとしたりする痛客です。
例えば「お前はブスだな」「こんな店で働いているなんて人生の負け組だ」などの発言や、自分の収入や地位を誇示して相手を見下すような態度を取ります。
こうした言動の背景には、自分の優越感を満たしたいという心理や、お金を払っているという立場を利用して相手を支配したいという歪んだ欲求があることが多いです。
彼らは自分が支払うお金によって、キャストに対して何を言っても良いという誤った認識を持っています。暴言・マウント客の存在は、キャストのメンタルヘルスに深刻なダメージを与えるだけでなく、店内の雰囲気も著しく悪化させます。
他のお客様も不快な思いをし、結果として店の評判を下げることにもつながります。黒服はこうした状況を早期に察知し、適切に介入することが求められます。
飲み方が汚い客
飲み方が汚い客は、適切な酒量やマナーを守れずに周囲に迷惑をかける痛客です。彼らの多くは、平常時は穏やかでも、お酒が入ると人格が変わったように振る舞います。
具体的には、大声で騒いだり、テキーラなどの強いお酒をキャストに無理に飲ませようとしたり、酔っ払って暴れたりする行動が見られます。
特に問題なのは、彼らの行動が他のお客様の体験を台無しにしてしまうことです。
静かに会話を楽しみたいと思っているお客様の隣で大声で騒がれれば、当然不快感を抱きます。また、キャストに無理な飲酒を強要することは、キャストの健康を害するリスクもあります。
さらに、酔いが進むとグラスを倒したり、テーブルを叩いたりと、店内の設備を損傷させるリスクも高まります。
黒服としては、お客様の酔い具合を常に観察し、度を超えた飲酒や騒ぎを防止する役割も担っています。
店に通わない店外客
店に通わない店外客は、店舗での利用を最小限に抑え、すぐにキャストを店外に誘い出そうとする痛客です。彼らは基本的に店に通う意思がなく、キャストとの個人的な関係だけを求める傾向があります。
多くの場合、店内での飲食代を支払うお金がない、または支払いたくないという理由が背景にあります。
彼らの特徴的な行動として、初回の来店時から「今度二人で会おう」「店の外で飲みに行こう」などの誘いを頻繁におこなうことが挙げられます。また、キャストの連絡先を執拗に聞き出そうとしたり、勤務時間外の情報を詮索したりします。
この種の痛客は、表面上は丁寧な対応をしているように見えることもあるため、見極めが難しい場合もあります。
しかし、キャストにとっては大きなストレス源となり、店舗の利益にも直接的な損害をもたらします。黒服としては、こうした店外誘導の兆候を見逃さず、適切に対応することが求められます。
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黒服ができる痛客への対処とは

痛客への対応は、ナイトワークで黒服として働く上で最も重要なスキルの一つです。
適切な対処によって、キャストを守り、店内の良好な雰囲気を維持することができます。
以下では、状況別の具体的な対応方法を解説します。
- キャストを守る立場で介入する
- ひどい場合は退店や出禁をお願いする
- ガチ恋やストーカー客の場合は警察等に相談
- 周囲のお客様へ謝罪をする
- キャストへのアフターフォローも忘れずに
キャストを守る立場で介入する
黒服の最も重要な役割の一つは、キャストを痛客から守ることです。ナイトワークの現場では、キャストが被害を受けるケースが多いため、黒服の素早い介入が求められます。
特に、おさわり客に対しては即座に行動を起こすことが大切です。
お客様がキャストに不適切な接触をしているのを見かけた場合は、すぐに近づいて「すみませんお客様…!お触りはご遠慮いただいています」とはっきりと伝えましょう。
この際、お客様の体面を完全に潰さないよう、周囲に聞こえない程度の声量で、しかし毅然とした態度で伝えることがポイントです。
また、暴言やマウントを取るお客様に対しては、「お客様、そのようなお言葉はキャストを傷つけてしまいます」と冷静に注意しましょう。このとき、黒服自身が感情的にならず、プロフェッショナルな対応を心がけることが重要です。
介入の際は、キャストを別の場所に移動させて一時的に距離を取らせるなど、状況に応じた臨機応変な対応も必要となります。
ひどい場合は退店や出禁をお願いする
注意をしても行動を改めないお客様に対しては、より厳しい対応が必要になります。具体的には、退店を要請したり、悪質な場合は出禁処分とすることも重要な対応策です。
退店を要請する際は、「申し訳ございませんが、当店のルールを守っていただけないのであれば、こちらでご退店いただきます。」と丁寧かつ断固とした態度で伝えましょう。
この際、できるだけ他のお客様の目に触れないよう、静かに案内することが大切です。また、会計は速やかに済ませ、長引かせないようにすることもポイントです。
特に悪質なケース、例えばキャストへの執拗なセクハラ行為や暴力的な言動があった場合は、出禁処分も検討します。出禁とする際は、店長や責任者と相談した上で決定し、その旨をしっかりとお客様に伝えましょう。
また、出禁にしたお客様の特徴や名前は、他の黒服スタッフとも共有しておくことが重要です。情報共有が不十分だと、誤って再入店させてしまうことがあります。
ガチ恋やストーカー客の場合は警察等に相談
ガチ恋客やストーカー行為に発展しているケースは、店内での対応だけでは解決が難しい場合があります。このような状況では、警察や弁護士への相談も視野に入れるべきです。
まず、キャストから相談を受けた場合は、具体的な事実関係を丁寧に聞き取りましょう。いつ、どこで、どのような行為があったのかを記録しておくことが重要です。
証拠となる迷惑メールやSNSのメッセージなどがあれば、保存しておくようキャストにアドバイスします。
状況に応じて、キャストに付き添って警察署へ行き、相談や被害届の提出をサポートします。
この際、キャストの精神的な負担を軽減するため、黒服が間に入って状況説明をすることも大切です。また、法的な対応が必要な場合は、弁護士への相談も検討します。
さらに、キャストの帰宅時には安全を確保するため、複数の黒服で送り届けることも考慮しましょう。一人の黒服だけで送ると、ストーカー客から見ると彼氏と誤解される可能性があり、トラブルに発展することもあります。
複数人で対応することで、そうしたリスクを回避できます。
周囲のお客様へ謝罪をする
痛客の行動によって店内の雰囲気が乱れた場合、周囲のお客様にも配慮した対応が必要です。特に、騒がしい客や暴言を吐く客などが他のお客様の時間を台無しにしてしまった場合は、迅速な謝罪と対応が求められます。
騒ぎが収まった後、周囲のお客様のテーブルを回り、「先ほどは大変ご迷惑をおかけしました」と誠意を持って謝罪しましょう。
この際、具体的な事情を説明する必要はなく、シンプルに不快な思いをさせたことへの謝罪を伝えることが大切です。
また、状況に応じて、「お詫びの気持ちとして」とドリンクやデザートをサービスするなどの対応も効果的です。こうした誠実な対応によって、「この店はちゃんとしている」という好印象を持ってもらうことができます。
周囲のお客様への配慮は、店舗の評判を維持するうえでも非常に重要です。トラブルが発生しても、その後の対応が適切であれば、むしろ「問題発生時も迅速かつ丁寧に対応してくれる店」という良いイメージにつながることもあります。
キャストへのアフターフォローも忘れずに
痛客の対応後、忘れてはならないのがキャストへのフォローです。痛客との接客は精神的に大きな負担となり、キャストのメンタルヘルスに影響を与えることがあります。黒服として、こうした心理的なケアも重要な役割の一つです。
まず、問題が解決した後、キャストに声をかけ、「大丈夫?」と体調や気持ちを確認しましょう。
この際、人目につかない場所で話を聞くなど、キャストのプライバシーに配慮することが大切です。また、「あなたが悪いわけではない」と伝え、自責の念を抱かないようサポートすることも重要です。
特に精神的なショックが大きい場合は、少し休憩を取らせたり、その日の業務を軽減したりするなどの配慮も必要です。場合によっては、店長や責任者に状況を説明し、早退を認めてもらうことも検討しましょう。
さらに、継続的なサポートとして、翌日以降も気にかけることが大切です。「昨日のことで気になることはない?」と声をかけるなど、キャストが一人で悩みを抱え込まないよう配慮します。
黒服のこうした心遣いがキャストの信頼を得ることにつながり、結果として店全体の雰囲気や連携の良さにも影響します。
まとめ
ナイトワークの現場では、さまざまなタイプの痛客が存在し、黒服(ボーイ)として適切に対応することが求められます。
ガチ恋客、おさわり客、暴言・マウント客、飲み方が汚い客、店に通わない店外客など、それぞれの特徴を理解し、早期に察知して対応することが重要です。
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