「キャバクラでよく聞く裏引きって何?」
「裏引きはどうしてやっちゃダメなの?」
「裏引きを防ぐにはどうしたらいい?」
裏引きとは、キャストがお店を通さずにお客様と直接お金のやり取りをすることです。
裏引きはお店にかなりの損失をもたらす行為なので、基本的にどのキャバクラでも禁止されています。
この記事では、裏引きがNGな理由やキャストが裏引きをする理由、防ぐにはどうしたらいいかを解説します。
裏引きについて詳しく知りたかったり、対策を考えていたりする黒服はぜひ本記事を参考にしてください。
今のうちから裏引きに関する知識を身に付けておけば、マネージャーや店長になったときに役立つこと間違いなしです。
裏引き(直引き)とは?
裏引きとは、キャストがお店を通さずにお客様からお金を直接もらうことです。
「直引き」と呼ばれることもあり、キャバクラやラウンジ、クラブなどのナイトワーク業界で使われる言葉です。
キャストはお店でお客様とお酒を飲みながら接客することで売上を上げます。
その売上のうち、何パーセントかはお店に入り、その売上でキャバクラの経営は成り立っています。
お客様がお店に来てお金を払ってくれないとお店側は利益を得られません。
そのため、お店側はキャストとお客様が直接お金のやり取りをする裏引きを禁止しているのです。
発覚した場合は、クビになったり罰金が科せられたりするなど、重い処分が下されることが多いです。
裏引きはお客様から誘ってくるパターンとキャストが自ら持ちかけるパターンがあります。
「お金を上げるからお店を通さずにデートしよう」「欲しいものを買ってあげるから外で会おう」と言われることが多い。
お店によっては、お店の売上に貢献している人気のキャストは暗黙の了解で裏引きが許されている場合があります。
なぜなら、ナンバー入りしているキャストがお店を辞めてしまうと、お店の売上が大きく下がってしまう危険性があるからです。
とはいえ、人気のキャストであっても辞めさせられる可能性があるので、基本的に裏引きはしない方が良いでしょう。
ちなみに、裏引きと似たような行為で枕営業があります。
枕営業とはお客様と肉体関係を結んで店に呼ぶ営業方法です。
枕営業は裏引きとは違い、お客様がお店に来てくれます。
また、肉体関係を結ぶ行為自体にお客様がお金を払うわけではないので、知っていたとしてもお店側は見て見ぬふりをすることが多いです。
プレゼントを貰うことは裏引きになるか?
同伴やアフターなどでプレゼントを貰う行為は裏引きには該当しません。
なぜなら、キャストがプレゼントを貰ったとしても、お客様がお店に来てくれればお金を使ってくれるからです。
また、「結婚してあげる」「彼女になってあげる」という嘘をついてプレゼントを貰う行為は後々トラブルになる可能性があるので、禁止されていることが多いです。
お客さんをパパにするのは裏引きになるか?
キャストがお店の太客や常連にパパ活を仕掛け、個人的にお金を貰った場合は裏引きになります。
なぜなら、お店に売上が1円も入らないからです。
ただし、お店のお客様ではない人にキャストがパパ活を仕掛ける行為に関しては、お店側があれこれ口出しすることはできません。
裏引きNGな理由
裏引きはキャバクラやラウンジ、ガールズバーなど、女の子がキャストとして働くお店では基本的に禁止されています。
ここでは、裏引きがNGの理由を2つ紹介します。
お店の信用問題に関わる
1つ目の理由はお店の信用問題に関わることです。
キャストからお客様を裏引きに誘う場合、お金に困っている場合がほとんどになります。
他のキャストも平気で裏引きをするのかと思われ、お客様のお店に対する信用は一気になくなってしまうでしょう。
特に、ルール違反が嫌いで真面目なお客様ほど、裏引きのような行為は許してくれません。
そういったお客様の場合、誘われた時点で二度とお店を利用しなくなってしまう可能性が高いです。
また、お店側が裏引きをするキャストを1人でも容認してしまうと、他のキャストも裏引きをする可能性があります。
そのため、お店側としては何としても裏引きを阻止しなければいけません。
お店の売上が大きく下がる
2つ目の理由はお店の売上が大きく下がることです。
キャバクラはキャストがお客様とお酒を飲みながら接客し、売上をキャストとお店で分けます。
裏引きをしているキャストが1人でもいると、お店の売上が大きく下がってしまう可能性があるのです。
裏引きをしているキャストはお店に行かなくてもお金が貰える。
お店に出勤する必要性を感じないようになる。
キャストを指名していた他のお客様も、目当ての女の子がいないという理由で来なくなります。
裏引きはお客様がお店に来てくれないので、当然のことながらお店にお金が一切入りません。
お客様が他にお気に入りの女の子を見つける可能性もありますが、基本的には行くお店を変えてしまう場合が多いです。
「裏引きを何回かしたとしても、またお店に来てくれるんなら別にいいんじゃないの?」と思う人もいるでしょう。
しかし、裏引きで安く会えた女の子に、わざわざ大金を払って来てくれるお客様はいません。
なぜキャバ嬢は裏引きをするのか?
裏引きがなくならない理由は、リスクがあっても得られるメリットが大きいからです。
では、具体的にどんなメリットがあってキャストが裏引きをするのかを解説します。
お店よりも取り分が増える
1つ目のメリットはお店で働くよりも自分の取り分が増えることです。
お店で働く場合、キャストの売上の何パーセントかはお店に入ることになります。
例えば、キャストが1万円の売上を上げたとしても、そのすべてがキャストのお金になるわけではありません。
しかし、裏引きをすればお店を通さなくて良いので、1万円すべてがキャストのお金になります。
お客様側も指名料やサービス料などを支払う必要がないため、交渉次第ではお店よりも高額の料金を払ってくれるでしょう。
雇われている以上、キャストがお店のルールに従うのは当たり前です。
しかし、キャバ嬢は自ら営業して売上を上げるので、売上の一部がお店に入るのを不満に思うキャストもいます。
そういった不満を持つキャストは「自分1人でやった方がいいんじゃないか」と思い、裏引きに走ってしまいがちです。
キャストの中にはその魅力に取りつかれ、辞めようと思っても辞められなくなってしまう女の子も多いです。
ただし、お店で働いている場合と違い、キャストはお客様と自分でお金の交渉をする必要があります。
お店という後ろ盾がなくなった途端、キャストにお金を払うのを渋るお客様もいるので、一概に裏引きをすれば稼げるとは限りません。
お客さんを選べる
2つ目のメリットはお店で働いている場合と違い、お客様を自分で選べることです。
お店で働いている場合、たとえ嫌なお客様だとしてもお店の売上のために働かなければいけないときもあるでしょう。
しかし、裏引きなら良い関係性ができていて自分に都合の良いお客様だけを選べます。
ある程度は相手のことを知っているので、新規のお客様のように気を使う必要はありません。
中には、食事やデートだけでなく、お客様と肉体関係を結び愛人のように接する女の子もいます。
特に、カラオケデートや個室居酒屋デートなど、2人きりになるシチュエーションは注意が必要です。
お客様を選べるとはいっても、お店で働いていたときでは考えられないような事態が起こることも十分にあり得るのです。
より自由なスケジュールを組むことができる
3つ目のメリットはお店で働くよりも自由なスケジュールで働けることです。
キャバクラで働いている場合は、決まった時間に出勤して仕事をしなければいけません。
最近は朝キャバや昼キャバといった営業形態もありますが、ほとんどのキャバ嬢は夜に働いています。
しかし、裏引きならお客様の都合にあわせて自由なスケジュールを組んで働けます。
いわば組織に縛られないフリーランスのような働き方ができるのです。
裏引きをやってしまうと、キャバクラでストレスを感じながら働くことがバカらしく感じ、そのままお店に来なくなってしまうキャストも少なくありません。
裏引きのリスク・デメリット
裏引きはキャストにとって、取り分が増えたりお客様を選べたりするというメリットがあります。
しかし、お店を通さないことはメリットばかりではありません。
ここでは、裏引きのリスク・デメリットを4つ紹介します。
お客さんが豹変し、要望がエスカレート
1つ目のリスク・デメリットはお客様の要望がエスカレートする可能性があることです。
具体的には、肉体関係を迫ってくる可能性があります。
お店に来ているときは紳士的な態度を取っていても、個人間のやり取りになると豹変するお客様は少なくありません。
特に、すでにお金をもらっている場合は断りづらく、お客様の言いなりになってしまうことも多いです。
中には、肉体関係の強制だけでなく、裏引きをしていることをお店にバラすと脅してくるお客様もいます。
裏引きをすると自分の取り分は多くなりますが、何かあったときにお店から守ってもらうことはできません。
お店を通さないということは、お客様が豹変し要望がエスカレートする危険性があるのです。
キャバクラが裏引きを禁止している最も大きな理由はお店にお金が入らないからです。
しかし、キャストが危険な目に遭ったとしても責任が取れないことも、裏引きが禁止されている理由の1つになっています。
ちょうどお金に困っていたときに、お客さんに誘われて裏引きをやることにしました。
最初は普通のデートだったのでよかったですが、途中から肉体関係を求められるように。
嫌だったので断ったら、お店に裏引きをバラされ、結局そのお店は辞めることになってしまいました。
今は他のお店でまたキャバ嬢をやっていますが、リスクが高いので裏引きはやっていません。
お金の踏み倒し
2つ目のリスク・デメリットはお金を踏み倒される可能性があることです。
先述した通り、裏引きはお店を通さないので、何かあったときにお店から守ってもらえません。
例えば、裏引きをしてお客様に「今度あった時にお金を払う」「安くしてほしい」などと言われても、キャストは自分で対処する必要があります。
裏引きは金銭をめぐってお客様とトラブルになる可能性のある、非常にリスクの高い行為なのです。
また、裏引きという弱みにつけこまれ、逆にお金を要求されてしまうこともあり得ます。
パチンコをやりすぎてお金がなくなり、常連のお客さんに自分から裏引きを持ちかけた経験があります。
やり始めはちゃんとお金を払ってくれましたが、だんだんとお金を渋るようになりました。
「ちゃんとお金を払ってよ」と私が強めに出てもお金を払ってくれず、最終的には「お店に裏引きのこと言うけどいいの?」と言われ引き下がるしかありませんでした。
その後すぐに関係を切り、結局お店にはバレませんでした。今もキャバ嬢を続けていますが、二度と裏引きはやらないと心に決めています。
厳罰・干される、訴えられるリスクも
3つ目のリスク・デメリットは厳罰を科されたり、干されたりする可能性があることです。
裏引きをされてしまうと、お店にとっては大変な損害になります。
そのため、キャストはその代償としてクビになったり、罰金を請求されたりするのです。
さらに、キャストだけでなくお客様にお金の請求がいくなど、周りを巻き込んで迷惑をかけてしまう可能性があります。
また、一度裏引きをすると、お店同士の横のつながりで情報を共有され、他のお店で働きづらくなる可能性があります。
特に、近場で働けなくなることは確実です。
キャバクラで長く働きたいと考えているなら、裏引きはやめておいた方が良いでしょう。
キャバ嬢を始めたての頃にあまり稼げなかったので、唯一自分を指名してくれたお客様に裏引きをしてもらっていました。
しかし、裏引きを始めたあたりからお店を休みがちになり、それをお店側に不審に思われて結局バレることに。
罰金を支払わされることはありませんでしたが、この件のせいで地元の夜のお店では働けなくなってしまいました。
法律違反のリスク
4つ目のリスク・デメリットは法律違反になる危険性があることです。
具体的には、裏引きをすると、背任罪や業務上横領罪になる可能性があります。
背任罪の場合 | 5年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
業務上横領罪の場合 | 10年以下の懲役 |
さらに、キャストだけでなく、裏引きをしたお客様も共同正犯としても罪に問われることも少なくありません。
裏引きはお店で働くよりも高額のお金を楽に稼げることは間違いないでしょう。
しかし、お店のペナルティや法律違反などにより、裏引きで稼いだ以上の損害を受ける可能性も高いです。
裏引きを防ぐためにできる対策
裏引きは黒服の行動次第で未然に防げます。
ここでは、裏引きを防ぐためにできる対策を3つ紹介します。
黒服をやっているのなら、ぜひ知っておきましょう。
裏引きはバレることを教えておく
1つ目の対策は裏引きがバレるということをキャストに教えておくことです。
具体的には、「本指名のお客様が急に来なくなったり、出勤頻度が下がったのに羽振りが良かったりしたら裏引きを疑うからね」とキャストに言いましょう。
裏引きをすると辞めさせられたり、罰金を支払わされたりする可能性があることも同時に伝えると、さらに効果的です。
また、キャストに対して定期的に講習を行い、裏引きがダメなことを伝えておきましょう。
たとえ入店時にしっかり伝えたとしても、日が経つと忘れてしまったり、「裏引きは絶対ダメ」という認識が薄れてしまったりする可能性があります。
裏引きの断り方を周知する
2つ目の対策はキャストに裏引きを誘われたときの断り方を教えておくことです。
事前に断り方を教えておけば、キャストもその場の空気に流されて裏引きを受け入れることが少なくなります。
お客様の中には、そもそも裏引きという言葉自体知らず、禁止行為だと思っていない人がいるかもしれません。
そのため、一番初めは「裏引きはお店で禁止されているのでできない」とキャストに言わせるのが適切です。
そうすることで、お客様がキャストの対応を不快に思うことはなくなります。
禁止されていることを言ってもお客様が引き下がらない場合は、「忙しくてお店以外の時間が取れない」ことをキャストから伝えさせましょう。
具体的な断り文句は以下の通りです。
- 学業が忙しい(大学生の場合)
- ダブルワークでやっている昼職の仕事が忙しい
面倒なお客様でも、女の子から具体的な理由が出ると引き下がる可能性が高いです。
それでもまだ裏引きに誘ってくるお客様はお店に報告するように言いましょう。
誓約書・契約書に明記
3つ目の対策はキャストを採用する時の誓約書・契約書に、”裏引き禁止”をしっかりと明記しておくことです。
そうすることでキャストは裏引きが禁止行為だと認識できますし、お客様に裏引きを誘われたとしても断れる可能性が高まります。
今働いているキャストと契約を交わしていない場合は、改めて罰則条項がある誓約書・契約書にサインしてもらいましょう。
誓約書の具体的なテンプレートは以下の通りです。
令和●年●月●日 誓約書 源氏名______(以下「甲」という。)が、______店(以下「乙」という。)の承諾なく利用客にサービスを提供し、その対価を当該客から受け取り、その事実を乙に申告しなかった場合には、甲は、乙に対し、金▲▲万円を支払う。 【甲】氏名:住所: |
まとめ
この記事では、裏引きがNGな理由やキャストが裏引きをする理由、防ぐにはどうしたらいいかを解説しました。
裏引きとは、キャストがお店を通さずに直接お客様からお金をもらうことです。
キャバクラやラウンジ、クラブなどのナイトワーク業界で使う言葉で、「直引き」と呼ばれることもあります。
キャストが裏引きをする理由は以下の3つです。
- お店よりも取り分が増える
- お客様を選べる
- より自由なスケジュールで働ける
特に、売上をすべて自分のものにできるのが裏引きをする一番大きな理由です。
中には、裏引きの魅力に取りつかれて辞めたくても辞められなくなるキャストもいます。
裏引きのリスク・デメリットは以下の4つです。
- お客様が豹変し、要望がエスカレートする
- お金の踏み倒し
- 厳罰・干される、訴えられる
- 法律違反のリスク
キャストは裏引きをすると、お店で働いているよりも簡単に稼げます。
しかし、バレたときのリスクもかなり大きいです。
黒服として裏引きを防ぐためにできる対策は以下の3つです。
- 裏引きはバレることを教えておく
- 裏引きの断り方を周知する
- 誓約書・契約書に明記
事前に裏引きの危うさや断り方を教え、そもそもキャストが裏引きに走らないように働きかけましょう。
今のうちから裏引きについての知識を身に付けておくと、店長やマネージャーになったときに絶対に役に立ちます。
ぜひ本記事を何回か読み直して裏引きについての知識を深めてください。
黒服としての実力を上げたいなら、来店する客層と職場環境が良い六本木や銀座などのお店を選ぶと良いでしょう。
中でもおすすめなのは、裏引きをするような人がいないハイクラスのお客様が多いチックグループです。