黒服 (ボーイ) の キャバクラ店での接客マニュアル基礎と大切な心得

黒服 (ボーイ) の仕事その① キャバクラでの接客マニュアルのアイキャッチ画像

これから黒服(ボーイ)として働きたいと考える大学生の方や、向上心を持ってキャバクラに勤める方にとって気になるのが日々の接客です。

「お客様にとって楽しいひと時を過ごしていただくためにはどうすれば良いのか」
「ワンランク上の黒服として活躍するために自分には何が必要なのか」

と悩む方も多いのではないでしょうか。

キャバクラで接客を行う際には、様々なマナーや心構えがあり、それらをしっかりと理解することで“できる黒服”に近づくことができます。

そこで今回は、キャバクラで求められる黒服(ボーイ)の接客、お客様が来店されてから退店されるまでのポイントなどについて詳しく解説いたします。

もくじ

キャバクラで求められる黒服 (ボーイ)の接客とは

スーツを着た男性

キャバクラで求められる黒服(ボーイ)の接客とは、「おもてなしの心」です。

キャバクラに足を運ぶお客様は、一般的なサラリーマンの方はもちろん、会社の経営者層や有名人、スポーツ選手など様々ですが、多くのお客様が非日常的なひと時や癒しを求めてご来店されます。

覇気のない挨拶、ダラダラとした接客、誠意のない態度を取ってしまえば、お客様には一瞬でダメな黒服であると見抜かれてしまい、楽しいひと時を台無しにしてしまいます。

  • お客様に喜んでいただくために何をすべきか
  • お客様に不快な思いをさせないために気を付けるべきことは何か
  • お客様にまたお店に足を運んでもらうためにはどうしたら良いか

黒服として働くには、こうしたお客様目線での「おもてなしの心」が求められ、目の前のお客様に対して真摯に向き合い続ければ必ずや一流の黒服として成長することができます。

キャバクラの接客やること〜来店時〜

ドアを開ける男性

お客様が来店された際の接客の流れは以下の通りです。

STEP
挨拶

まずは、ご来店されたお客様を元気の良い挨拶でお迎えします。
お客様にとってのお店の「顔」となるのが黒服ですので、ハキハキとした態度や笑顔を心掛けることが大切です。

常連や自身の担当するお客様の場合には、「◯◯様、いらっしゃいませ」という様に、しっかりと名前を伝えることも意識しましょう。

STEP
人数確認

続いて、お客様の来店人数を確認します。
「2〜3名で来店されたお客様ならここへ」「4名以上の団体のお客様なら奥のテーブルへ」など、お客様の人数に合わせてどの席へ案内するか事前に決めておきましょう。

STEP
荷物を預る

お客様を席へご案内する前に、上着や傘などの荷物があればお預かりします。
その際、「よろしければ、こちらで上着をお預かりいたしましょうか?」という様に、何気ないひと言をかけることでお客様に好印象を与えることができます
預かった荷物は他のお客様のものと間違えない様に保管します。

STEP
席に案内

上着などをお預かりした後、お客様を席へと案内します。
お客様の多くは、事前に居酒屋などで飲まれた後にキャバクラへ足を運ぶことがほとんどです。
そのため、できる限りスピーディーに席へとご案内し、待たせないことを意識する必要があります。

STEP
おしぼりを用意

お客様(キャスト)に渡すおしぼりを用意しておきます。
開店前にお店で用意してある冷たいおしぼり(つめしぼ)を冷蔵庫から取り出し、

  • 汚れが付着していないか
  • 必要以上に水滴が滴っていないか

等チェックしておきます。

STEP
指名の確認

お客様に指名のキャストがいるか確認を取ります。
常連のお客様の場合には、指名のキャストを覚えることでスムーズに案内することができ、好印象を与えることができます。
また、フリーで来店されたお客様の場合には、好みのタイプなどを伺うことでその後の付け回しで場内指名を獲得しやすくなります。

STEP
キャストをつける

お客様にキャストを案内します。

ここからはキャストがお客様の接客をしますが、

  • アイス(氷)や灰皿の交換は必要ないか
  • サインの出そうな席はないか
  • お客様がお困りになっていることはないか

など、常に店内を見渡して早め早めの対応を心掛けることが大切です。

来店時のポイント① 元気な挨拶が基本

お客様が来店された際には、元気の良い挨拶でお迎えすることが基本です。

元気の良い挨拶をすることでお店全体に活気が生まれ楽しい雰囲気を演出することができるため、黒服としての経験が浅いという方はまずはしっかりと挨拶を行うことを意識してください

また、お客様からのオーダーをお伺いする際なども元気良く返事をすることがポイントとなります。

来店時のポイント② 席に案内出来ない時

多くのお客様は来店前に別のお店で飲まれているため、長時間待つことができないケースがほとんどです。

特に、新規で来店されたお客様は指名するキャストもいないため、近隣の別のお店に流れてしまうこともしばしばあります。

お客様をすぐに席に案内できない場合には、ビールなどのドリンク類を無料で提供してお待ちいただく、(指名キャストがいる場合には)お客様の指名キャストを呼んで少しだけ会話してもらうなど、少しでもお客様を引き止めて来店していただくための工夫やサービスを提供することが大切です。

来店時のポイント③ お客様のタイプを見極める

キャバクラでは、フリーで来店されたお客様からいかに指名を獲得するかが重要となります。

キャバクラに足を運ぶお客様には、以下の様な8つのタイプのお客様が多く、どのタイプのお客様にどのキャストを案内するか事前に想定しておくことが大切です。

それぞれについて解説します。

1. キャバクラ慣れしてる人

夜遊び上級者のお客様で、キャバ嬢との楽しみ方をしっかりと理解されているタイプ。

こうしたお客様は、大人の余裕があり、新人キャバ嬢にも積極的に話しかけてくれるため、多少口下手のキャストでも特に問題はありません。

ただし、全くの受け身はNGで、しっかりとお客様との会話を楽しむことができるキャストを案内することが理想的です。

2. 口説いてくる、下心がある人

すぐに付き合おうと口説いたり、下心を持ってアフターへと誘うお客様も多く来店されます。

こうしたタイプのお客様には、キャバ嬢としてのキャリアが長いキャストや店内でも人気のある女の子を案内することがオススメです。

キャストを上手く口説きたいというお客様の気持ちを汲み、ギリギリの駆け引きを続けることで太客になってもらえる可能性があります。

3. 本気になってしまう人

夜遊び初心者のお客様の中には、キャバ嬢からの色恋営業を間に受けてしまう方もしばしばいます。

意中のキャバ嬢が他のお客様と会話するのを見てつい嫉妬したり、しつこく連絡を送ってしまう方もいますが、そうしたお客様には、マメな性格のキャストを案内することがオススメです。

お客様の本気の気持ちには応えることができないものの、「また◯◯ちゃんに会いたい!」とお店の常連となっていただける可能性があります。

4. 無口な人

無口なタイプ、少々恥ずかしがり屋な方、キャバ嬢に警戒心を抱いて自分から話そうとしないお客様もご来店されます。

こうしたお客様にマシンガントークの様に話題を振ってしまうと混乱してしまうことがあるため注意が必要です。

無口なお客様に対しては、相手のペースに合わせて場を盛り上げられるキャストや、おっとりとした癒し系の女の子を案内することが理想的です。

少しずつこちらのペースに巻き込むことで、お客様の心を掴むことができますよ。

5. 仕事の付添の人

仕事の付添でキャバクラに来店されるお客様も多く、中には今日初めて夜遊びデビューをしたという方も珍しくありません。

そうしたお客様には、まずキャバクラの楽しさや醍醐味を知っていただくために、盛り上げ上手な性格のキャストを案内することが吉です。

また、退店後にしっかりとお礼を伝え継続して連絡を続けられるマメなキャストであれば、その後改めての来店も期待することができます。

6. 自慢話を聞いてほしい人

お酒を飲んでしまうと誰しも気が大きくなってしまい自慢話をしたくなります。

こうしたお客様には、とにかく気分良くお酒を飲んでいただくためにも、コミュニケーション能力に長けたキャストを案内することをオススメいたします。

しっかりとお客様の話に耳を傾けると共に、質問を沢山振ると上機嫌で過ごしていただけます。

7. 愚痴・悩みを聞いてほしい人

家庭や職場での愚痴・悩みを聞いてほしいといった理由からキャバクラに来店されるお客様も多いです。

こうしたお客様に対しては、多少口下手でも親身に話を聞くことができるキャストを案内することがオススメです。

また、ひとしきり愚痴・悩みを聞いた後は、自分なりのアドバイスや前向きになれる言葉を送ることもポイントです。

男性のお客様は、具体的な解決策や元気になれる言葉を欲しているケースが多く、親身に話を聞いてもらえるキャバ嬢がいれば定期的にお店へと足を運んでいただけることも珍しくありません。

8. 説教したい人

キャバ嬢をストレスの捌け口にしたい、とにかく説教がしたいという理由で来店されるお客様も一定数存在します。

しかし、こうしたお客様はお酒が入って気が大きくなっているだけのケースや、説教の中身がないことがほとんどですので特に問題はありません。

自慢話をしたいお客様と同様に、しっかりと相槌を打って聞き流しておけば大きなトラブルへと発展することは少ないですが、あまりにも度が過ぎていると判断した場合には、それとなく黒服がお客様をなだめることとなります。

キャバクラの接客やること〜接客中〜

手を出す男性

キャストが接客中に行う黒服の業務には以下の様なものがあります。

それぞれについて解説します。

STEP
オーダーを受ける

お客様からフードやドリンクなどのオーダーを受けます。
近隣の飲食店からの出前の可否、お酒の銘柄についても尋ねられることがあるため、もし分からない場合には曖昧な回答をすることなくしっかりとマネージャーなどに確認を取ることが大切です。

STEP
フード・ドリンク

フード・ドリンクを作ることも黒服の業務のひとつです。
フードは、生ハムやチーズなどの前菜系をはじめ、ピザ、オムライスなどお店によって様々ですが、多くが冷凍食品を使用しているため簡単な盛り付けを行うだけで大丈夫です。

また、ドリンクもレシピが用意されているため、初めての方でも少しずつ対応することができます。

STEP
アイス・灰皿の交換

フロアを見渡し、アイス(氷)・灰皿を交換する必要があるか確認します。
アイスは半分を切ったら、灰皿は吸い殻が1本でも溜まっていたらすぐに交換し、お客様が快適なひと時を過ごせる様に心掛けます。

STEP
タバコ・お使い

お客様からタバコやフードなどのお使いを頼まれることがあります。

最寄りのコンビニや酒店、場合によっては近くの系列店に出向くこともありますが、スピード感を持って対応することが大切です。

STEP
付け回し

フリーで来店されたお客様の好みに合わせて場内指名の獲得が期待できるキャストを案内します。

お店の売上に直結するため店長やマネージャークラスの黒服が対応することがほとんどです。

基本的にフリーでは3名のキャストが付くことが多く、それぞれ以下の様な役割を担っています。

①容姿の良いキャスト
②容姿が平凡なキャスト
③盛り上げ上手なキャスト

接客中のポイント① ハンドサインを見逃さない

キャバクラでは、キャストが大声で黒服(ボーイ)を呼ぶことはなく、基本的にはハンドサインを通じてコミュニケーションが行われます。

楽しいひと時を演出するためにも、黒服にとってはとにかく反応スピードが重要となります。

多くのお客様が来店されてバタバタしている中でもハンドサインを出しているキャストがいないか注視すると共に、グラスに入っているお酒の量、アイス(氷)、灰皿などをチェックし、ハンドサインが出る前に対応を心がけることも必要となります。

接客中のポイント② 無茶振りへの対応を準備しておく

お酒が入り気分が大きくなったお客様の中には、黒服に対して以下の様な無茶振りをする方もいます。

突然の申し出に驚いてしまう黒服も少なくありませんが、しっかりと対応することでお店の雰囲気を盛り上げたり延長交渉などを上手く進められることもあります。

1. 何か面白いことやってよ (一発芸・ものまね)

お客様からの無茶振りがあることを理解した上で、あらかじめ幾つかのネタを用意しておくことで上手く対応することができます。

ただし、政治、宗教、贔屓にしている野球チームなど、センシティブな話題に関しては避けた方が賢明です。

2. 一気飲み

ビールであればジンジャーエールで割ったシャンディガフ、ウイスキーであればハイボールなど、その後の接客に影響が出ない様にアルコールを薄めて飲むことがオススメです。

また、車の運転を控えている、体質的にどうしてもお酒を飲めないという方であれば、正直にその旨を伝えてノンアルコールのカクテルなどをいただいても良いでしょう。

3. お使い(パシリ)

お客様からタバコなどのお使い(パシリ)をお願いされることがありますが、こちらも立派な黒服のお仕事です。

「◯秒でよろしくね!」という様に無茶振りをされることもしばしばありますが、黒服を信頼した上でのちょっとした冗談ですので、嫌な顔をせずに笑顔で引き受けましょう。

また、お釣りやレシートはきちんとお客様にお返しするなど、誠意を持って対応しましょう。

キャバクラの接客やること〜退店時〜

ありがとうを言うウエイター

お客様の退店時に黒服が行う仕事は、お会計とお見送りとなります。

もちろん、単に精算しお客様を見送るのではなく、一流の黒服であれば以下の様なポイントを心掛けて接客に臨んでいます。

退店時のポイント① 延長交渉を行って、売上げアップ

一般的に延長交渉を行うのはキャストですが、黒服がお客様に対して営業を行う場合もあります。

しかし、お客様がご来店される度に営業をかけるとせっかくの楽しいひと時を台無しにしてしまうこともあるため、様子を見ながら営業をかけてお店の売上アップを狙いましょう。

ここでポイントとなるのは、初めて来店された新規のお客様に対しては積極的な営業をかけることなく、3回以上の来店経験がある常連のお客様に対して営業を行うことです。

普段1SETで帰宅される方には2SET、2SETで帰宅されるお客様に対しては3SETという様に、もう1SET過ごしていただける様に打診しましょう。

以下は、黒服が営業を行う際にできる3つの延長交渉術となります。

  • 一発芸を披露する代わりに延長をお願いする
  • 正直に「お店が暇」であることを伝えて延長をお願いする
  • クーポンや割引サービスを提示してお得に遊べることを伝える

ただし、以下の様に延長ができないというお客様もいるため、その場合には無理な営業は避けた方が賢明です。

  • お店から家まで距離があり、タクシーで帰宅すると大変なお客様で、終電がなくなりそうな状況
  • 仕事やプライベートの都合で翌朝早く起きなければならないので、早めにお店を後にしようとしている状況
  • 金銭的に今回は延長を行うことが難しい状況

退店時のポイント② タクシー・運転代行到着まで待たせない

タクシー・運転代行で帰宅されるお客様の場合には、事前に車両や代行業者の手配を行い、「お客様を待たせない」という心構えを持たなければなりません

特に、駅から離れた繁華街やタクシーを捕まえにくいエリアの場合には、早めに手配を行うことを意識すべきです。

お客様に気持ち良く退店いただくまでが黒服にとっての仕事です。

また遊びに来たいと思っていただける様、最後まで手抜きすることなくお客様目線でサービスを提供しましょう。

まとめ

今回は、キャバクラで求められる黒服(ボーイ)の接客、お客様が来店されてから退店されるまでのポイントなどについて詳しく解説しました。

上述したスキルや心構えを身に付け、接客中に実践することでワンランク上の黒服へと近付くことができます。

また、より黒服としてのスキルを高めたいという向上心のある方であれば、近場の繁華街やキャバクラを選ぶのではなく、六本木や銀座など一流店が集う都心のエリアで働くこともご検討ください。

給与水準も高くしっかりとした職場環境が整備されているため、安心して日々の業務に打ち込むことができます。

特に、六本木・銀座エリアを中心に展開するチックグループであれば、一流の黒服として活躍したいと考えるあなたの夢をきっと後押ししてくれますよ

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